この季節になると、ヒガンバナと称される「まんじゅしゃげ(曼殊沙華)」が田のあぜ道や土手に咲きほこる。曼殊沙華は、サンスクリット語で天界に咲く花で、おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる意味があるという。
しかし「土葬の墓標として咲く花」と不吉なイメージで教えられていた。赤い毒々しいほどのけばけばしさが、好ましからざるものとしてみなされるのかなと思っていた。
真実は根に毒があり、根茎が強いから、動物が嫌い掘り返したり、モグラやネズミなどが穴を開けたりするのを防ぎ、また土壌を強くすることから、墓地や田んぼのあぜ道などに植えているようだ。しかも、水に十分さらしたヒガンバナのでんぷんは保存食料として非常食にもなるようだ。簡単に寄り付かないように、「ヒガンバナには毒があるので触らないように」とけん制していたのかもしれない。(masa)